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苗穂展望台(ミスター54の記録)[旧:北海道ディーゼル貨物]

北海道の列車・苗穂工場のみたままをお送りします

きょうの札タ &留萌ショック

皆さまこんばんは。

相変わらず業務多忙で更新もままならないのですが、札タ観察は基本的に続けています。
土日はブロ友の皆さまが最近は毎週のようにチェックしてくださっているようですのでサボって、楽させてもらいました。

週末は雨がちで、沿線で撮影していた同業者の皆さまもきっと苦労されたことでしょうね。
さて、きょうの札タは…
DF114IMG_1634-2.jpg
DF200-114+コキ 1085レ 札タ構内  2015-06-29
札タ構内も夏草が茂って来たので、ちょっといつもとはアングルを変えて撮影してみました。
北旭川行1085レ編成にクマ114が連結された直後で、写真ではわかりにくいのですが、まだ検査明けの時の美しい車体が幾分残っています。凸が石北臨貨から消えて以来、1085レがイヨマンテ(クマ送り)になった記憶はありません。

今度は目を転じて札タ構内苗穂出場車置場の観察です
satsutaIMG_1635-4.jpg
札タ構内苗穂出場車置場  2015-06-29
ここもきょうは引いて撮影です。左手の薄暗がりに黄ホキが、正面奥に2082レ牽引クマのバックショットが見えています。1年前までは、このクマがたま~に凸になることがあって、それをわくわくしながら待っていたものです。
ここで最後に凸牽引の2082レを見たのは、忘れもしない、昨年の8月9日でした
道内貨物凸×旅客凸凸の離合実現!(←クリックすると飛びます)

きょうの観察はここまでです。

ですが、どうしても触れて置きたいことがあります。
先週末のマスコミ報道で、「道内3番目に旅客が少ない路線」として留萌線の全線廃止を、JRが沿線自治体の一部に相談しているということです。留萌市、増毛町では絶対反対でしょうから、秩父別などへ相談が最初にあったようです。
特に雪解け時期の災害の可能性が高く、輸送密度も低い留萌-増毛は2018年度内に廃止したい意向のようです。

記事元:毎日新聞
JR北海道:留萌線の廃止検討 沿線自治体と協議へ

そして気になるのはこの第三位という順位です。
文章では、第一位: 札沼線、第二位: 石勝線、第三位: 留萌線…と並んでいますが、札沼線は最近電化された札幌近郊の通勤通学線区で、ちょっと不自然です。この理由は別表とその添付図にありました

別表を抜き出すと、こうなります(※区間については拙ブログで補足加筆あり)

 輸送密度 営業キロ 区間 
1  81人   47.6キロ  札沼線(北海道医療大学-新十津川)
2 117人   16.1キロ  石勝線(夕張支線)
3 142人   66.8キロ  留萌線
4 277人  136.3キロ  根室線(滝川-新得)
5 298人  146.5キロ  日高線
6 405人  183.2キロ  宗谷北線
7 436人  135.4キロ  根室線(花咲線)
8 466人  166.2キロ  釧網線

これを見て相当考えさせられることがあります。
まず、線区の切り方ですが、これまで路線名ごとが基本で、函館線の上砂川支線が分離廃止されたことはあるものの、基本的には路線単位で輸送密度や収支を考えて来たことが多かったはずです。
その理由は、国鉄時代に83線区2600km廃止候補を挙げて以来、地元政治家の圧力で廃止を一部区間に留めたりなど行われそうになり、国鉄末期に具体化すると、廃止逃れのための路線名のみだりな変更は禁止され、その一環として、原則廃止候補は路線名毎に行うことが厳密に適用されることになりました。このためおおよそ現実に即した廃止が行われていますが、九州の宮田線など、政治的介入により、廃止が人為的に遅れた線区が若干存在します。
一方で、函館線上砂川支線など、廃止候補から上手に逃れてしまった線区も存在します。夕張支線の場合、元々追分-紅葉山(現新夕張)-夕張と、紅葉山-登川が夕張線だったものが、1981年の石勝線新夕張-上落合信号場(-新得)新規開業の際に、路線ごと解明されたもので、これはまさに夕張支線を残すためのアクロバット的手段だったと思います(思いついた人は天才ですね)。

さて、講釈はともかく、この上の表を見て気づくのは、実際の運転系統毎の公式な輸送密度がきちんと出て来たということです。これはおそらく初めてではないでしょうか。感想をつらつら述べさせていただきます。

札沼線は国鉄時代なら石狩当別で切るところでしょうが、大学前としてできた新設駅が北海道医療大学に改称され、電化区間の終点となるに及んで、ここが廃止の基点になるとは、誰が想像したでしょうか。
石勝線夕張支線は、元々運炭のために、積出港の室蘭を向いて作られているので、現在の対札幌の人の流れとは異なりますから、仕方ないでしょう。でも、一連の不祥事を受けてDMVの開発が休止されていなければ、いまの時点で廃止を匂わせるようなこんな発表はなかったと思います。
留萌線は、元々石炭の積出し路線だったことと、留萌で接続する羽幌線の廃止、それに近年の並行高規格道路の開通で、止む無しかと思います。SLすずらんが走っていた頃は、もう少し当局も将来性を期待していたようですが、この輸送密度は限界でしょう
根室線の滝川-新得は、本線から外れたとはいえ、ここまで輸送密度が落ちているとは正直驚きました。札幌から新得は石勝線経由がメイン、旭川から新得は富良野線経由がメイン、とすると札幌から沿線の芦別・赤平のほか、富良野程度がせいぜいの需要なのでしょうね
日高線は意外に輸送密度が高いのですが、これは沿線にぽつぽつ集落が点在しているからと思われ、この数字だけから見たら、災害復旧を避けるには理由は乏しいかと思います。ただ、もしも浦河-様似もしくは静内-様似の末端区間だけ採り上げたら、間違いなく廃止の筆頭に来てもおかしくないはずです
宗谷北線(名寄以北)の単独の収支が出たので見ると、思いのほか輸送密度が健闘しているように見えます。ただし、冬季毎日排雪列車を運転していることや、特急を運転している経費を考えると、割に合うのかどうかは疑問です。宗谷線の高速化事業も名寄以南なので、将来この区間は普通列車だけになったりすることもアリかも知れません
根室線(花咲線)は路線名で生き残ったどころか、いまだに幹線扱いという特殊な区間ですが、少なくともJR北海道として維持すべき需要は少なさそうですね。そのうち、花咲線区間だけ地方交通線扱いになっても不思議ではありません
釧網線は中斜里の貨物輸送もあって運良く生き延びましたが、強い旅客需要のある区間ではなく、観光需要もある程度支えての収支ではないかと思います。キハ56系急行しれとこや客貨混合列車が消えて久しく、いまだにこの輸送密度を保っていることが驚きくらいです

以上小生の雑感でした。
いま時分こんな統計が出て来ること自体、経営に参画したJR東日本から出向の役員の意向が働いていることは想像に難くありません。どうせなら小樽-札幌-新千歳空港の収支も発表して、その区間の運賃を下げるくらいしないと不公平にも見えますが、JR東がそんな指導をするとは思えません(苦笑)
時代の流れで仕方ないとはいえ、民営化後も頑なに公共輸送機関としての矜持を保って来たJR北海道が、ここでこんな発表をしなければならないことは、当事者が一番苦悩していることではないかと思います。

湿った話題で終わるのもなんなので、最後に札幌市電延長工事中の札幌駅前通の西4丁目交差点で、可愛い工事用柵(単管バリケード)を見かけましたので撮影して来ました。
tramIMG_1633-4.jpg
カエルやキリンなどの柵は見ていますが、ハローキティーは初めてです。

きょうも最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
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  1. 2015/06/29(月) 19:08:55|
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